形ある機械は、使えば消耗しますし壊れもします。長く快適に使うにはメンテナンスも必要です。それは自動車も同じです。
自動車は大まかに見積もっても3万点から、数え方によっては10万点にも及ぶ部品でできています。小さなネジ1本から、ドアやシートといった大きいパーツまで、どれも修理やメンテナンスには欠かせない部品なのです。
株式会社ダイサブの創業は1975年。今から約50年前に、自動車部品の販売から始まった会社です。現在は、自動車部品を扱う部品部と自動車整備を行う整備事業部の2つの部署から成り立っています。
自動車部品を販売する業者は一般的に「部品商」と呼ばれ、業界の組合である全日本自動車部品卸商協同組合に所属する会社だけでも全国に400社に上ります。
自動車を作るのは自動車メーカーですが、メンテナンスや修理をするのは、主に整備工場やディーラーの整備部門など。そして、膨大な種類の部品の中から、整備工場で必要とされている部品を供給するのが、私たち部品商の仕事なのです。
整備工場やディーラーの整備部門などから、自動車の故障や破損などの状態を聞いて瞬時に必要な部品を判断し、お伝えする。そしてできる限り迅速にその部品をお届けする。それが部品商である私たちに求められていることです。
それには、自動車の構造を熟知していなければならず、さらに修理等の内容や範囲などを予測する力も必要です。もちろん、こうしたニーズに応えられるだけの知識と経験値が弊社には蓄積されています。
さらに、迅速に商品をお届けできるシステムも構築しています。ルートセールスの社員が1日最大5回、担当ルートを回ります。このシステムが、例えば、午前中に発注を受けた商品を早ければ午後一にお届けするということも可能にしており、お客様に大変喜んでいただいています。
これらは、各々の社員の努力の成果であり、何にも変え難い弊社の強みとなっていますが、このような知見を、若手社員に効率的に共有していくことにも積極的に取り組んでいます。
翻って業界の未来の話です。今、自動車業界では100年に1度とも言われる大きな変革が始まっています。急速に増えつつあるEV車。ガソリン車がEV車に置き換わると部品数は約1/3になるとされており、そうなると当然、部品の取引も1/3になります。さらに、CO2排出量削減の取り組みや、働き方改革の一環により、長距離のトラック輸送が制限され、貨物列車に切り替える動きもあります。また、自動運転も一部では既に始まり、全国的な広がりも現実味を帯びてきました。
そんな中、部品商の業界も変革を求められています。EV車を初め、自動車業界の変化にいち早く対応しなければなりません。
私たちには誇れる知識と経験があります。しかし、それで安心し「今だけ」を見ていたのでは時代の変化に乗り遅れ、やがて存続が厳しくなると認識しています。
弊社の整備事業部は、自動車特定整備事業の認定を受けています。これは、従来の分解整備だけではなく電子制御装置による整備も可能にする認定で、これによって、自動ブレーキやレーンキープアシストに用いられるセンシング用カメラ、赤外線レーザーなど自動運行装置の整備を行うことができます。私たちは、今後を見据え、新しい技術への対応を怠りなく進めているのです。
弊社のお客様の約8割は運送会社様。車両は大型のトラックです。社会状況の変化があるとはいえ、国内における物流のほとんどを担っているのは、トラック輸送であり、それは今後も変わらないはずです。私たちは運送業者様と共に、日本の物流を今後も支えていく使命を負っていると考えています。乗用車に比べ、モデルチェンジや仕様変更の多い大型トラックですが、それに対応することで、弊社はお客様の信頼を勝ち得てきたと自負しております。
私たちは、多くのディーラーとお取引いただいています。新しい自動車・技術が出る際にはディーラー直接、あるいは専門のシステム業者と新技術や新装備に関するデータを共有させていただくことができます。それによっていち早く情報を得て勉強し、備えることができる。これは私たちにとって大きなアドバンテージになっています。